◇No.2

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逃げ場のない心は作り物の物語の中をどこまでも、浮遊したり沈んだり気ままに彷徨する。願わくば、あの岬へ行きたい。波に磨耗した丸い石ばかりが続く浜。青緑の海と灯台。満点の星空。ただただひたすら車を走らせて。宝石がちりばめられたようなあの景色、出来ることならも一度、観に行きたい..。
(04/11/18)

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幼い頃、クリスマスプレゼントで電動の青い鉛筆削りをサンタにお願いした。みんながキティちゃんの文房具を欲しがるような年頃に。『青色でいいの?』『うん』『なんか男の子みたいじゃない。赤じゃなくていいの?』『青がいい』イブの夜、暗がりの中、まるで探偵にでもなったつもりで薄目を開けて起きていた。やっぱりサンタは親だった。
放課後は、側転やバクテンの得意なまこちゃんとよく遊んだ。時々、二つ隣のうちに住む大ちゃん兄弟と筋肉マンごっこをした。2段ベッドから{跳び蹴り}。少女マンガにはほとんど興味を示さず、小説ばかりを読んでいた。明智少年探偵団の小林少年に恋をした。私もいつか探偵団に入って小林少年の助手をするんだと思った。今も部屋や車の中にぬいぐるみの類は全く置かない。単に邪魔というか埃っぽくなるから嫌いなのもあるけど..。どうせ置くなら青い照明とかがいい。
PCの部品や車のパーツは近頃はほとんど無くなったけど、友達のうちにそういった物があるとなぜか楽しい。けれどアロマオイルは好きだし、植物はあちらこちらに置いている。私の中にはたぶん極端に女な部分と極端に男な部分が存在するのかもしれない。
(04/11/09)

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バブルが弾けた頃のファッションが一回りしても、バブルの時代は再度やってはこないまま、21世紀も淡々と時間は進んでいる。
様々な経験を重ねる毎に、振る舞いとはよそに、思いの及ぶ物事が増える。そして鎧を着込むが如く自制が効くようになる。逆に、他を制する事は難しくなる。かといってそれはそういうものだって、定義できるもんでもなかったりする。
月にむら雲 花に風、いつだってそうなんだ。あぁ、あの頃私は浅はかだった。本当は、時計は回ってるんじゃなく、常に進んでいるんだ。
(04/11/08)

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人生の楽しみは、愛を感じること、綺麗なものや素敵なものを知ること。そしてそれを心に感じて過ごしていれば、この先ずっと一人でいたってきっと幸せ。たとえどんな感情を押し殺したとしても、たとえここがどこか別の星であったとしても。
いつかの記念日、一冊の絵本と、夜景の本のプレゼント。陶器に冷えたビールを注ぎ、地球の湯船に持っていってあげたあの時の、染み入るようなあの表情。いつか私も、別世紀の別の星へと消えてゆくのだろう。 いつかの宇宙人。ブルースウィリスに似てるって誰かに言われて喜んでたけど、金曜ロードショーでよくよく見てみれば、全然違うじゃぁないか!! なぜって、ブルースウィリスは、もうちょっと、頭のてっぺんに髪がある。
(04/11/05)

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それは雲泥の差かもしれないし、もしかしたら紙一重かもしれない。天空そびえるの高みの城壁、構成するの一石を堀の下から掴んで歯をくいしばっているのか、幅の狭い垣根にヘリコプターで危うげに飛び移ろうと試みているのか。どっちだっていいじゃぁないか。時の中でただ過ぎ行く、宇宙の自然のごくごく一部を成す、液体と固体と気体の集積物なんだ。(04/11/01)

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青山のカッシーナ・イクスシーで入手したアーモンドのソープに、いつものトワレがふわっと混ざった香りが取り巻いて、身体の下からフットバスの温もり、上からブルゴーニュワインが入って、ようやく自分の時間を取り戻した気がしたのは既に宵っぱり。部屋の灯りを落とし、ベッドサイドの小さなシェードランプだけを燈し、ゴダールやルネ クレールの映像をある種の空間ファッションとして流し、小説を読んだりする。
(04/10/29)

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帰り道、立ち止まって満月を見上げたら、吐く息が真っ白に昇っていった。
何年前だろう、コンビナートが唯一宇宙的な美を放つ、とっておきのスターダストの夜景の丘で、満月を眺めながら1本のギターをまわして交互に歌った。あの歌はきっと、この街での一つまみの時間を優しく包んでいたんだろう。それがどんな色をした景色で、どんな空気を纏っていたのかは分からない。愚かで罪深い私は、深夜の浴槽であの歌を口ずさむんだ。好きだった月の声だけ聴こえない。
(04/10/28)

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青く優しいファンタジックな小説を放り出し、赤く毒々しい現実味のある小説をいっきに読んだ。ずっと覗いてみたかった、痛いくらいの、リアリティ。目を逸らすものか、見えなかった現実に。
(04/10/26)

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